名探偵ポワロ・第11話『エンドハウスの怪事件(Peril at End House』のあらすじ、ネタバレ解説です。シーズン2第1話となる『エンドハウスの怪事件』は何度も命を狙われた女性が登場するエピソードです。2話構成となっており、実質2時間のドラマになっております。
あらすじ
イングランド南西に位置するリゾート地・ルーを訪れていたポワロとヘイスティングス大尉は、滞在するホテルで、ここ数日の間に4度も命を狙われた女性と知り合う。
ニックと呼ばれているその女性は、おんぼろのエンドハウスで暮らしており、たいした財産はもっていない。加えて、誰かから恨みをかっているような気配もなかった。それにも関わらず命を狙われていたニックに悲劇が起こる。花火の夜に彼女のいとこであるマギーが射殺されてしまう。
ポワロはマギーがニックと間違えられて殺されたと考え、ニックを病院に隔離。そして、ニックがお金持ちのマイケル・シートンと婚約しているようであり、その男の莫大な遺産が婚約者に相続されるという事実を掴む。しかし、ニックが残した肝心の遺言状はどこにも見当たらなかった。
隔離されていたニックでしたが、毒入りのチョコを食べたことで死んだ、とポワロは話す。その後、行方不明だった遺言状が6カ月遅れで、弁護士の元に届いた。その遺言状には、ある人物が全ての財産を引く継ぐと記されていたのだった。

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
ポワロさんの、この表情
登場人物
ポワロ、ヘイスティングス大尉、ミス・レモン、ジャップ警部以外の登場人物です。
- ニック・バックリー
何度も命を狙われた女性。本名はマグダラだがニックと呼ばれていると彼女は語る - マギー・バックリー
ニックのいとこ。被害者 - チャールズ・バイス
ニックのいとこ。弁護士 - バート・クロフト
オーストラリア人。エンドハウスの別棟に住んでいる - ミルドレッド・クロフト
ミリー。バートの妻。足が不自由 - エレン
エンドハウスの使用人 - ジョージ・チャレンジャー
ニックの友人。中佐。金髪長身の男性。船を持っている。十日に一度、おじのクリニックを訪れている - フレデリカ・ライス
ニックの友人。実は麻薬常用者 - ジム・ラザラス
ニックの友人。黒髪の男性。ラザラスギャラリーの経営は苦しい - マイケル・シートン
冒険家。シートン卿が亡くなったことにより、莫大な財産を受け取る。しかし本人も、世界一周中に消息不明となる
事件のまとめ・謎
ニックが命を狙われていた理由は彼女に相続されるシートンの遺産です。しかし、ニックの遺言状は行方不明です。遺言状の行方も謎めいていますが、腕時計に触れてはいけない理由なども定かではありません。
ニックは4回命を狙われ、5回目でいとこのマギーが殺されました。4回狙われたニックですが、命を落とすことはもちろん、負傷もありませんでした。
- 1回目:ベッドの上に飾ってある大きな絵画の落下
- 2回目:車の壊れたブレーキ
- 3回目:崩れ落ちた崖の岩
- 4回目:銃で狙われる(このときは、ポワロとヘイスティングス大尉がそばにいた)
マギーは誤って殺されたというのがポワロや警察の見立てです。本来の狙いはニックで、その動機は遺産です。つまり、犯人は遺産を相続する人物と考えることができます。
マギーは花火の夜に、上着を取りにエンドハウスへ戻り、ニックが身に付けていたケープを借りていました。辺りは暗く、ケープがニックの目印になったようです。このとき、ニックも上着を探すため、エンドハウスにいたようです。
凶器の拳銃は見つかってません。警察は浜辺などを捜索したようです。大尉は海に捨てたと話しています。
- 遺言状の行方
シートンの遺産が婚約者へ相続されることは確かなようです。もしも、その遺産をニックが引き継ぐ場合、ニックの遺言が重要になりますが、行方不明です。遺言に関わった誰かが、嘘をついているとしか考えられません - ニックの遺言状はオーストラリア人のバート・クロフトによって投函されたようです。しかし、受取人の弁護士バイスは、受け取っていないと話します。
どちらかが嘘をついているのか、どちらも嘘なのか、それとも真実を語っているのか、わかりません - 腕時計の謎
ヘイスティングス大尉がエンドハウスでニックの友人たちが身に付けている腕時計を触ろうとしたとき、激しく咎められました。単なる腕時計にしか見えませんが、触れてはいけないようです
伏線・手掛かり
ポワロが真相を掴むヒントです。ニック本人や友人、弁護士、ニックの病院に届けられたチョコに関する証言をまとめると以下のようになります。
- 殺人未遂
ニックの友人であるフレデリカは殺人未遂についてニックが嘘をついていると話しています - 婚約
ニックはシートンと婚約していると話します。しかし、友人達はその事実を一切知らなかったようです(殺人未遂と婚約に関しては状況証拠があります) - 愛着
弁護士はいとこのニックがエンドハウスに異常な愛着を持っていたと話します - 秘密の隠し場所
使用人によれば、エンドハウスには30cm四方の小さな隠し戸棚があるそうです - 病院関係者の証言
病院の関係者はチョコの包みが午後2時30分頃に届き、午後2時55分頃に病室へ持って行ったと話しています。このとき、チョコ以外に、花束ともう一つ同じチョコの包みがあったようです - ジムの証言
- 二つあるチョコの包みのうち一つを届けたのは、ニックの友人のジムです。彼はフレデリカ・ライスに頼まれたからと証言します
- フレデリカの証言
フレデリカはニック自身に電話で頼まれたと話します。ニックは外部からの届いたものを口にしないよう忠告されていました。しかし、チョコにはポワロのカードが添えられていたため、危険性はないと判断したようです。それぞれの証言から、フレデリカ、ニックはもちろん、25分程度、病院の棚に置かれていたため、誰にでも毒を仕込めたといえます
いくつかの証言を裏付ける証拠は以下の通りです。
- ブレーキの故障
ニックの車はブレーキドラムの弁が壊れていたようです。車が壊れているという話は、本当のようです - 写真と手紙
ニックの部屋からマイケル・シートンの写真と、彼からの手紙が見つかります。ニックは、本当にシートンと婚約しているようです。なお、ニックは2月28日に盲腸の手術を受けたようですが、3月2日の手紙には、そのことは触れられていません - 毒
チョコに入れられていた毒はコカインでした。これは、フレデリカ・ライスが常用している麻薬です
遅れてやって来たミス・レモンと大尉があだ名について語っています。エリザベスは1ダースほどのあだ名があるらしいです。この何気ない言葉が解決のきっかけとなっています
ネタバレ
遺言状を隠していたのはオーストラリア人のクロフト夫妻、マギーを殺した犯人はニックでした。そして、ニックは実は生きています。毒入りチョコは遺言状を手に入れるための、ポワロの計略です。
四度にわたる殺人未遂は、すべて、ニックの自作自演でした。つまり、ニックは自分が狙われているようにみせていました。ニックがマギーを殺した理由は、マギーがシートンと婚約していたためです。ニックは自身が命を狙われているようにみせることで、マギー殺害の容疑者から外れようとしました。
シートンの遺産は全てマギーに相続されます。ニックは遺産を手に入れるため、マギーを殺害し、マギーに成りすまそうとしていました。ニックが金を手に入れようとしていたのは、異常な愛着を抱くエンドハウスの修繕費を得るためです。なお、凶器の拳銃は秘密の戸棚に隠してあります。
遺言状はクロフト夫妻が隠していました。6カ月後に送られてきた遺言状には、彼らの名前が書かれていました。
また、チャレンジャー中佐はクリニックのおじと共謀し、麻薬を密輸しており、腕時計にはコカインが入っています。フレデリカ・ライスは中佐からコカインを手に入れていました。
結末
ニックは死んでいなかったことが明らかになり、遺産を横取りしようとしてたクロフト夫妻の悪事が明るみに出ます。さらに、ニックによるマギー殺害と、中佐の麻薬密輸がポワロによって告発されます。
感想
波に片足を突っ込むジャップ警部、駅に置き去りにされる大尉、謎の霊媒をするミス・レモンなどなど面白いシーンがたくさんです。
この記事のまとめ
名探偵ポワロ「エンドハウスの怪事件」のあらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
- ポワロと大尉の前に何度も命を狙われた女性・ニックが登場。ニックと間違えられて、ニックの親戚・マギーが殺されてしまう
- ニック自身も毒を盛られて亡くなったようだが…
- 犯人はニックだった。マギーはお金持ちと婚約しており、その婚約者が亡くなったため、莫大な財産を手に入れる予定になっていた。ニックは金を手にれるため、マギーを殺し、マギーになりすまして財産を手に入れようとしていた
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 監督 | レニー・ライ Renny Rye |
| 脚本 | クライブ・エクストン Clive Exton |
| 原作 | アガサ・クリスティ Agatha Christie |
| 制作 | LWT (現ITV) |

