名探偵ポワロ『アクロイド殺人事件(The Murder of Roger Ackroyd)』のあらすじ、登場人物と主要キャスト、事件や伏線のネタレ解説です。
引退したポワロは田舎町でガーデニングに勤しんでおりましたが、友人のロジャー・アクロイドが殺害される事件が発生してしまいます。
あらすじ
探偵業を引退したポワロが冬瓜に失望している頃、街でドロシー・ファラーズが自殺してしまいます。ドロシーと恋仲だったロジャー・アクロイドは、ポワロにドロシーが何者かに脅されていたと訴えます。ロジャーは、その恐喝者を探し出そうとしていましたが、その直後、自宅の書斎で何者かに殺害されます。
窓枠に残された靴跡や二人が口論していたという証言や、遺産という動機から、ロジャーの養子であるラルフ・ペイトンが容疑者となります。そんなラルフは事件発生後から行方不明になっていました。
ジャップ警部と合流したポワロは事件について調べるため、アクロイド邸で関係者に対して聞き取りを進めます。様々な証言や証拠が集まる中、執事のパーカーが車で引き殺されるという事件も発生します。

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
冬瓜を叱っていたポワロ
登場人物とキャスト
ポワロ、ジャップ警部以外の登場人物です。
- ロジャー・アクロイド
被害者。化学会社の社長 - ラルフ・ペイトン
ロジャーの養子 - ヴェラ・アクロイド
ロジャーの弟の妻。義理の妹 - フローラ・アクロイド
ヴェラの娘 - ジェフリー・レイモンド
ロジャーの秘書 - パーカー
執事 - アーシュラ・ボーン
メイド - ドロシー・フェラーズ
自殺した女性。夫を毒殺したが事故死と断定される - ジェームズ・シェパード
医師 - キャロライン・シェパード
ジェームズの妹
主要ゲストの役名と役者名をまとめます。
| 役名 | 役者名 |
|---|---|
| Dr. Sheppard シェパード医師 |
Oliver Ford Davies |
| Roger Ackroyd ロジャー |
Malcolm Terris |
| Ralph Paton ラルフ |
Jamie Bamber |
事件のまとめ・謎
ロジャー・アクロイドは書斎で死亡していました。フローラ・アクロイドの証言により、死体発見の直前まで被害者は生きていたと考えられます。誰が殺したのかというのが大きな謎ですが、容疑者ラルフが姿を消した理由、消えた青い手紙、殺人を知らせる電話など、不明な部分が多いです。
事件があった日、夜九時頃にシェパード医師がアクロイド邸を後にし、九時半頃に秘書のレイモンドが被害者の声を耳にしています。その後、十時十分頃に、執事のパーカーが書斎から出てくるフローラを目撃しています。この時まで、被害者は生きていた様子です。十時十五分頃にシェパード医師が自宅で電話を受け取り、駆けつけたシェパード医師と執事が、十時二十分過ぎに死体を発見しています。
- 電話
第一発見者のシェパード医師は執事からの電話を受けて、再びアクロイド邸を訪れました。しかし、執事には電話をした憶えはないようです - 椅子の位置
現場はほぼ保存されていましたが、椅子の位置だけは少し変わっていました(カーテンの開閉も異なっているようですが、これは事件に関係がないようです) - 消えた手紙
執事が被害者に手渡した手紙のうち、青い封筒のものがなくなっています。この手紙の送り主は、どうやら、自殺したドロシーのようです - 執事の死
執事のパーカーも車で引き殺されます。手紙の紛失や椅子の位置に気付いたのはパーカーでした。口封じのために殺されたようです - 消えた40ポンド
被害者の部屋(書斎ではない)にあった40ポンドが紛失しています。殺人事件との関連は不明ですが、ロジャーの義妹は使用人が犯人であると考えているようです - 捨てられた指輪
ポワロは水たまりの中から結婚指輪を発見します。Rという人物が贈った指輪のようですが、誰が捨てたのかはわかりません。ラルフとの婚約を発表しようとしていたフローラが捨てたのかもしれません
伏線・手掛かり
殺人の謎を解くヒント・伏線をまとめます。
フローラが書斎から出てきたというのが本当であれば、被害者が殺されたのは十時十分以降になります。しかし、フローラは実は書斎に入っていないことが判明します。最終的にポワロは、ラルフが捕まったという嘘の情報を新聞で流します。この記事をみたアーシュラ・ボーンが、本当のことを話します。
証言
フローラは書斎に入ったふりをしていました。理由は、彼女こそが40ポンドを盗んだ犯人だったからです。二階から降りてきたフローラは、その姿を執事に見られそうになったため、咄嗟に、書斎から出てきたように振舞っていました。彼女がロジャーに挨拶をしたというのは嘘です。
- 東屋の女性
秘書のレイモンドが、事件のあった夜、東屋へ向かう女性を目撃しています。しかし、誰かはわかりません - キャロラインの盗み聞き
医師の妹であるキャロラインは街中で、ラルフと女性が話しているのを盗み聞きしています。会話の内容は遺産に関するもので、父親を怒らせると遺産が手に入らない、といったことをラルフが女性に話していたようです - メイドについて
ポワロはメイドであるアシューラの推薦状を書いた人物のもとへ向かっています。しかし、詳しい話を聞くことができません。その後、アシューラは被害者のロジャーに解雇されていたことがわかります。ロジャーがアーシュラに解雇を伝えた時、二人は三十分ほど話していたようです。解雇を言い渡すだけなら、もっと短く済みそうではあります
証拠
凶器の短剣は屋敷に飾られていたもので、誰でも手にすることができたようです。ありふれた凶器といえます。
既出の消えた手紙、捨てられた指輪なども証拠といえます。>椅子の位置は執事の証言であり、消えた40ポンドは状況証拠といえます。
- 靴跡
書斎の窓枠に残された靴跡は、ラルフの靴のそれと一致します。ラルフが窓から出入りしたようにみえる証拠です - 布きれ
東屋の柱に破れた布が引っ掛かっていました。そして、メイドのアーシュラ・ボーンは破れたエプロンを身に着けている様子です
ネタバレ
犯人はジェームズ・シェパード医師です。シェパード医師はドロシー・ファラーズが夫を殺したことを知り、彼女を強請っていました。このことがロジャー・アクロイドに知られそうになったため、アクロイドも殺します。
シェパード医師が九時頃に辞去した時、既に被害者は死んでいました。靴跡を残したのも、共犯者に電話をかけさせたのもシェパード医師でした。九時半頃の声は、録音機とタイマーを使ったトリックであり、第一発見者となることでこの装置一式を回収していました。椅子が動いていたのは、椅子の背もたれで装置を隠していたからです。
- ラルフの行方
ラルフは療養所に入院していました。入院させたのはシェパード医師です。シェパードは、容疑者になるであろうラルフを匿うという口実で、ラルフを療養所に入れたようです - 電話をかけた人物
シェパードに執事を名乗って電話したのはシェパードの元患者でした。電話を依頼したのはシェパード自身です - 手紙の内容
青い封筒の手紙には、自殺したドロシーを強請っていた人物の名前が書かれていました。その人物は、もちろん、シェパード医師です
事件当夜、秘書に目撃されたのはメイドのアーシュラ・ボーンでした。彼女はラルフと会うために東屋に向かいました。
アーシュラは推薦状を書いた女性の妹でしたが、金に困り、メイドとして働いていました。働いているうちに、ラルフと惹かれ合い、結婚します。指輪はラルフがメイドに贈ったものでしたが、死んだロジャーはラルフとフローラの結婚を考えていたため、揉めていました。アーシュラが解雇されたのは、ロジャーが結婚に気付いたためであり、このタイミングで彼女は指輪を捨てたようです。なお、街中でラルフが遺産について話していたのもアーシュラです。
結末
真犯人を告発したポワロですが、その場に妹が現れ、犯人に拳銃を渡してしまいます。銃を手にした犯人は逃げますが、ジャップ警部とポワロに追われ、最期は自殺します。
感想
原作では倒叙トリックが仕掛けられていますが、ドラマでは省かれているようです。
この記事のまとめ
名探偵ポワロ「アクロイド殺人事件」のあらすじ、真相をご紹介しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼 | 恐喝に関する相談 |
| 事件分類 | 殺人 |
| 謎 | 容疑者の行方 |

