刑事コロンボ・第2話『死者の身代金(Ransom for a Dead Man)』のあらすじとトリック解説です。コロンボシリーズ第二話にあたる作品ですが、パイロット版(シーズン放送前に制作されたドラマ)ですので、シーズンという設定はありません。
このエピソードは弁護士のレスリー・ウィリアムズ(リー・グラント)が犯人です。
あらすじ
弁護士のレスリー・ウィリアムズは同じく弁護士である夫との関係が悪化。離婚しようとする夫を誘拐殺人に見せかけて殺害します。
コロンボは数々の状況証拠から、誘拐はレスリーによる偽装であると推理します。しかし、決定的な証拠が掴めず、レスリー逮捕には至りません。そこで、同じくレスリーの犯行を確信する義理の娘とともにレスリーを罠にはめます。
ふたりの罠にはまり、大金が必要になったレスリーは誘拐犯が持ち去ったはずの身代金を使います。その金をコロンボに押さえられ、大金の所持について言い逃れできなくなったレスリーは、罪を認めます。

©Universal City Studios
登場人物とキャスト
- レスリー・ウィリアムズ
犯人。弁護士。 - ポール・ウィリアムズ
被害者。犯人の夫。ドラマ開始直後に殺される。台詞が極めて少ない。 - マーガレット・ウィリアムズ
犯人の義理の娘で、被害者の娘。父親が誘拐されたためスイスから帰国。
| 名前 | キャスト |
|---|---|
| レスリー・ウィリアムズ Leslie Williams |
リー・グラント Lee Grant |
| マーガレット・ウィリアムズ Margaret Williams |
パトリシア・マティック Patricia Mattick |
| ポール・ウィリアムズ Paul Williams |
ハーラン・ウォード Harlan Warde |
犯人
- レスリー・ウィリアムズ
狂言誘拐を起こして、誘拐犯に夫が殺されたようにみせる。こんな感じで簡単に説明できる偽装工作であるが、やってみると相当な難易度に違いない。まず、誘拐犯がいるようにみせないといけない。このとき、人質の家族は警察と一緒にいるであろうから、全く有難くないけれども、完璧なアリバイができてしまう。それでも、警察に誘拐犯の存在を信じさせなければならないので、アリバイトリックが必要になってくる。共犯者を使えばかなり楽になるが、この事件の犯人は全て一人でやっている。お友達がいなかったのかな?と思ったりもするが、下手に共犯者をつくると、ほぼというか、絶対に脅されることになるので、諸刃の剣になってしまう。一人の方が安全だがハードモード、ということなので、それをこなしている今回の犯人はなかなかのやり手である。
トリック解説
レスリーは夫のポールを殺害した後、夫の車を使って移動し、死体を海に捨てます。その後、自作自演の脅迫状や電話を使って、夫が誘拐されたと偽ります。
誘拐に関して、レスリーは夫が車の運転中に誘拐されたようにみせます。そして、誘拐犯から電話がかかってきたようにみせるため、友人の電話や自動電話を使います。身代金の受け渡しについても、誘拐犯がいるようにみせるため、操縦する飛行機から金が入ったバッグを落とすというやり方にしています。
- 電話
まず、友人に短い電話をかけさせ、まわりの人間に誘拐犯からの電話だったと信じ込ませます。その後、タイマー付きの電話で自動で指定した番号に電話をかけます。レスリーは夫の声が入ったテープと自動電話を使い、誘拐された夫からの電話をでっちあげました。 - 身代金
レスリーは誘拐された夫のために、全財産を使って身代金を用意します。この身代金を入れたバッグと全く同じバッグをもう一つ用意し、カバンをすり替えます。すり替える時は「着替えをする」などと言って人払いをしています。バッグをすり替えることで、金は自分の手元に置くことができ、さらに、誘拐犯が金を持ち去ったようにみせることができます。 - 誘拐犯の合図
レスリーは操縦する飛行機から、フラッシュライトを落とします。そして、犯人の合図が見えたと無線で連絡し、空のバッグを落とします。 - 夫の死体
繰り返しになりますが、夫の死体は海に捨てます。金は奪われ、人質の夫も殺さられたことになります。
犯人のミス
コロンボが犯人の偽装工作に気付くきっかけなどです。
ちぐはぐな証拠
説明のつかない矛盾した状況です。
- 空のバッグ
空のバッグだけが残されていた状況から、誘拐犯はバッグの中身から丁寧に金だけ抜き取ったことになります。これにより、どうしてバッグごと持ち去らなかったのかという疑問が生じます。 - 銃の口径と弾道
凶器は犯罪者が普通使うものよりも口径の小さい拳銃が使われていました。これについてコロンボは口径の小さい拳銃が使われたのは、体を貫通して部屋の壁などを破損しないためであると推理します。また、銃弾の角度から被害者が立っていて犯人は座っていたという状況が明らかになります。口径及び弾道という根拠からコロンボは被害者が屋内で座っている人物に撃たれたと考えます。 - シートの位置
比較的大きな体格の被害者が車を運転していたはずなのに、車のシートは前に出ていました。実際は、やや小柄なレスリーが運転していたため、シートはレスリーに合った位置になっていました。
不自然な言動
レスリーのおかしな言動です。誘拐犯としてや遺族としての然るべき言動に関してミスが多いです。
- 電話の対応
犯人のレスリーは誘拐犯と電話で話した際、夫の状況を確認しませんでした。普通は、夫の安否を確認するはずです。 - 死体発見
夫の死体発見時、レスリーはどこで見つかったのかなど、詳しいことを一切聞きませんでした。 - どっちの?
レスリーはコロンボにバッグについて尋ねられた時、「どっちの?」と聞き返します。バッグがふたつあったことを知っているのは、犯人だけです。身代金受け渡しのフライトの後、コロンボはレスリーのロッカーを確認しています。そのため、コロンボは、バッグがふたつあった、ということに気付いていたかもしれません。 - 鼻歌
夫の死体が見つかった直後にもかかわらず、レスリーは鼻歌をうたいます。この姿を目撃した義理の娘マーガレットはレスリーの犯行を確信します。
犯行の証拠
被害者である夫の車からは鍵が見つかりませんでした。この鍵を持っている人物が犯人といえます。なお、マーガレットが車のキーで罠を仕掛けますが、レスリーを追い詰める罠にはならず、コロンボには一蹴されています。
コロンボの罠
コロンボは義理の娘とともにレスリーが大金を必要とする状況に追い込みます。まず、レスリーの犯行を確信していたマーガレットはレスリーを脅し始めます。脅しに堪えたレスリーは金を払うと約束します。急遽、大金が必要になったレスリーは誘拐の時に用意した身代金で工面しようとしますが、この身代金をコロンボに押さえられ、言い逃れできなくなったレスリーは自供します。身代金は警察が番号を控えていました。そのため、レスリーが義理の娘のために用意した金が、身代金であることは、間違いなく立証されます。そして、誘拐犯が持っていたはずの金をレスリーが持っているはずはありません。
強欲なレスリーは身代金を手放すことができませんでした。そのうえ、義理の娘の怒りも、金で解決できると考えていました。
感想
落とし物を探しているコロンボや飛行機に乗るコロンボなどなど、面白いシーンがいろいろです。「白鳥の歌」でもコロンボが飛行機に乗ったりしていました。
誘拐を偽装する事件は古畑任三郎「殺しのファックス」が有名です。刑事コロンボ「悪の温室」にも、誘拐が登場します。
口コミ分析
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この記事のまとめ
刑事コロンボ「死者の身代金(Ransom for a Dead Man)」のあらすじやトリックをご紹介しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計画性 | あり |
| 偽装工作 | 誘拐殺人 |
| トリック | 自動電話 |
| ミス | 身代金 |
| 動機 | 夫婦の軋轢 |
| 凶器 | 拳銃 |
| コロンボの罠 | 脅迫 |

