意識の下の映像・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ21】

刑事コロンボS3E4「意識の下の映像(Double Exposure)」のあらすじとトリック解説です。犯人がターゲットをおびき出すためにサブリミナル効果を使います。

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あらすじ(ネタバレ注意)

心理学者であり研究所の所長でもあるバート・ケプルは、企業の重役にハニートラップを仕掛け、そのネタをもとに、強請りを働いていました。しかし、強請りを告発しようとする社長が現れます。
ケプルは、プロモーション映像の試写会中に、その社長が喉が渇いて席を立つように仕向けます。そして、録音テープで試写室にいるようにみせつつ、そっと抜け出し、水飲み場にいる社長を銃殺。殺害を社長夫人にきせようとします。

銃の口径変換などのトリックで細工をしたケプルでしたが、映写技師に犯行がばれ、金銭を要求されます。ケプルは、社長夫人の銃を盗み、その銃で映写技師も殺害します。

ケプルを疑いながらも、決定的な証拠が得られないコロンボは、ケプルの部屋に凶器が隠されていると考え、あるプロモーション映像にサブリミナル効果を仕込みます。この映像をみたケプルは、隠した口径変換の器具を確認します。その現場をコロンボが押さえ、口径変換という証拠を押さえます。

©Universal City Studios

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登場人物とキャスト

  • コロンボ警部(ピーター・フォーク
    ロサンゼルス市警の警部

  • バート・ケプル博士(

    ロバート・カルプ




    【犯人】行動心理学者で研究所所長。プライドが高く冷徹な野心家

  • ヴィクター・ノリス(

    ロバート・ミドルトン




    【被害者】 第1の被害者。産業会 社の社長でケプルのクライアント
  • ロジャー・ホワイト(チャック・マッキャン)
    【被害者】第2の被害者。映写 技師。ケプルの犯行に気づき、強請ろうとしたため殺害される
  • ノリス夫人(ルイーズ・ラサム)
    ヴィクターの妻。夫の死と浮気の疑惑に苦しむ
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トリック解説

ケプルはアリバイを作った上で、被害者の社長をおびき出し殺害。映写技師殺害の罪も社長夫人になすりつけようとします。凶器の銃は、口径を偽るために「口径変換器」を装着して使用し、使用後は変換器だけを自室の電気スタンドに隠しています。
アリバイ工作およびなすりつけの手口は以下の通りです。

  • カーテンに隠れる
    犯人のケプルは、プロモーション映像のナレーションを務めます。この時、姿をカーテンで隠し、あらかじめ録音しておいた自分の声をテープで流すことで、アリバイを作ります
  • テープの上書き
    試写の後、参加者の意見を録音する習慣を利用し、アリバイ工作に使ったテープに音声を上書きします(ケプルが、映画館で映写技師を殺害した時は、フィルムを交換し、2回目の上映時に殺されたように偽装することで、アリバイを作っています)
  • 映写技師殺害時のアリバイ
    映画館で映写技師を殺害した時は、フィルムを交換し、2回目の上映時に殺されたように偽装することで、アリバイを作っています
  • 不倫告発の電話
    ケプルは社長夫人に電話し、夫が不倫しているという内容を伝えます。そして、その証拠をみせるため、待ち合わせの約束をします。待ち合わせ時刻と社長殺害の時刻を重ねることで、夫人のアリバイを不確かなものにします
  • 銃の盗難
    映写技師殺害の罪を夫人になすりつけるため、夫人宅ヘ忍び込み、銃を盗んでいます

試写会中に社長を会場の外の水飲み場におびき出す手口は下記の通りです。様々な策を講じています。

  • キャビア
    社長に塩辛いキャビアを食べさせる
  • 熱い部屋
    試写会が行われた部屋は冷房が効いていない
  • 【サブリミナル効果】アイスティーのコマ
    社長がみるプロモーション映像には、1コマだけアイスティーの画像が仕込まれていました。社長の場合、塩辛い食べ物などの条件が揃っていたため、のどが渇いた、という潜在意識がより刺激され、席を立ちます
  • 被害者の行動を確認
    ケプルは、防犯カメラを使って、試写室から出る社長の姿を確認します。防犯カメラの映像をみられないようにするため、映写技師のいる映写室のモニターに細工します。
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犯人のミス

コロンボが偽装に気付くきっかけや、疑いを深める根拠などをまとめます。

不自然な言動

フィルムを金庫にしまったこと、録音テープのスイッチを入れたタイミングなどの証言が矛盾します。死体がみつかってすぐに録音のスイッチを押すという異常な行動はとるが、フィルムを金庫しまう冷静さはある、という矛盾です。

  • フィルム
    犯人のケプルは、試写で使ったフィルムを金庫に閉まっています。死体が見つかった直後なのに、とても冷静な行動です
  • 録音テープ
    参加者の意見を残すために録音されたテープは、死体が見つかって騒然とする人々の音声から始まっていました。「てんやわんやの状態でよくスイッチが押せましたね」というコロンボの指摘にケプルは、気が動転していたというような言い訳をします

状況証拠

ケプルの犯行は、映写技師によって見抜かれ、強請られることになります。この結果、第二の犯行に及ぶこととなり、余計な証拠を残すことになります。なお、映写技師が気付いたのは、映写室のモニターに細工をしているところを目撃したためでした。
ケプルは映写技師殺害時にもアリバイを仕掛けています。しかし、映写技師はフィルムが終わったことを知るため、小銭を使っており、この小銭が、死んだ映写室の映写機には置かれていなかったため、フィルムを換えたのは死んだ映写技師ではないと推理されます。

カプルは、キャンペンガールをつかってハニートラップを社長に仕掛けていました。カプルはこのキャンペンガールとの関係を隠していました。
コロンボはふたりの関係を暴くため、カプルのふりをしてキャンペンガールに電話をします。電話はすぐに切られますが、声でカプルではないと判断したキャンペンガールの様子から、ふたりは知り合いであることを見抜きます。なお、コロンボはゴルフ中のケプルに、ノリス氏殺害時のアリバイに関する証言の矛盾(ケプルが観衆の誰からも明確に視認されていなかったこと)を指摘し、動揺させています。

  • ケプルとノリス氏の関係
    コロンボはノリス氏の秘書から、殺人の翌日の会議で「ケプルとの取引をやめる」という議題があったことを聞き、ケプルの動機を掴んでいます
  • サブリミナル効果に関する質問
    コロンボはケプルに、潜在意識のカットを使って喉を渇かせ、席を立たせるのが可能か質問し、ケプルは可能だと認めています
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コロンボの罠

様々な状況証拠をカプルにぶつけるコロンボでしたが、決定的な証拠が掴めません。そこで、凶器はまだケプルの部屋(研究所の社長室)に隠されていると睨むコロンボは、サブリミナル効果を使った罠を仕掛けます。

  • コロンボの写真
    コロンボは、部屋に勝手に忍び込み、部屋を捜査しているような写真をたくさん撮影します
  • 捜査のサブリミナル
    コロンボの写真は、プロモーション映像の1コマに取り込まれます。この映像をみたカプルは、部屋に隠した証拠が気になり、上映が終わった後、隠しておいた口径の変換器を確認します。実は、部屋にコロンボが隠れており、ケプルは、変換器を取り出した瞬間をコロンボに押さえられます
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感想と考察

サブリミナル効果を使った犯人が、逆にサブリミナル効果で捕まるという面白いエピソードです。ちなみに、サブリミナル効果については、その効果について否定的な研究結果が出ているそうです。

  • ロバート・カルプ演じるケプル博士の知的で冷徹な犯人像と、コロンボとの火花散る心理戦は見応え十分
  • 追い詰められたケプルが最後に見せる狂気的な高笑いは、シリーズ屈指の名ラストシーン
  • 「なぜ口径変換器をすぐに処分しなかったのか」「硝煙反応の捜査はどうなったのか」といったトリックの細かな矛盾点に関して指摘が多い

ストーリーは古畑任三郎「しばしのお別れ」とやや似ている部分があります。「しばしのお別れ」は、舞台をみている観客の中からどうやって標的をみつけるかというエピソードです。

ケプルの行為は2件の殺人罪だけではなく、美人局による恐喝罪、第2の犯行準備のための住居侵入罪および窃盗罪など、多数の余罪があります。動機は自己中心的かつ悪質であり、犯行態様も極めて計画的ですので、有罪となれば死刑もあり得る厳しい量刑が科されると推測できます。
逮捕の最終的な決め手となった「口径変換器」は、コロンボがサブリミナル効果という手法を用いて犯人に自ら取り出させた証拠です。証拠収集の適法性が問題になりそうですが、捜査の必要性やプライバシー侵害の程度から、違法捜査とは断定されず、証拠能力が認められるかもしれません。

口コミ

海外サイトの口コミには、subliminal、advertising、good、greatなどが書き込まれています。

国内サイトの口コミには、サブリミナル効果覚える、潜在意識の映像などが書き込まれています。

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小ネタ

  • 過去の事件への言及
    コロンボが現場到着時に「ヘイワード事件(第19話『野望の果て』) のせいで夕飯を食い損ねた」と発言。旧シリーズで過去の事件に具体的に言及するのはこれが初めて
  • 呪いのリムジン?
    ケプル博士が運転するリンカーンのリムジンは、『死の方程式』で被害者が乗っていた車や『アリバイのダイヤル』に登場した車と同型であり、複数のエピソードで使い回されている
  • 同じファッション
    犯人役のロバート・カルプは、出演した3作品(『指輪の爪あと』『アリバイのダイヤル』そして本作)で、非常に似たデザインのダークグリーンのブレザーを着用している
  • 小道具の使い回し
    映写技師ロジャー・ホワイトが持っていた魔法瓶は、『アリバイのダイヤル』でコロンボが持っていたものや、『第三の終章』で用意されたものと同じである
  • サブリミナル効果について
    このエピソードのテーマであるサブリミナル効果は、放映当時アメリカでは既にCMでの使用が法律で禁止されていた(日本では1995年に禁止)
  • 傾いたランプシェードを直すケプル
    冒頭15秒のシーンで、ケプルが銃の手入れ中に電気スタンドのランプシェードが傾いているのを直します。これは、後に銃の口径変換装置が電気スタンドの中に隠されることを暗に示している
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この記事のまとめ

刑事コロンボ「意識の下の映像」について、あらすじやトリックをご紹介しました。原題は「Double Exposure」で直訳すると「二重露出」となります。「意識の下の映像」とは異なります。最後にドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 夫人の犯行に偽装
ミス 犯行の発覚
動機 強請り
凶器 拳銃
トリック 銃の口径変換
コロンボの罠 犯人にサブリミナル
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