溶ける糸・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ15】

刑事コロンボS2E6・第15話「溶ける糸(A Stitch in Crime)」のあらすじとトリック解説です。外科医が患者の殺害を企てます。これに気付いた看護師を犯人は物取りにみせかけて始末します。


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あらすじ(ネタバレ注意)

心臓外科医のバリー・メイフィールドは、心臓外科の権威ハイデマン博士と共同で心臓移植の拒絶反応を抑える薬を開発していました。開発の成果をいち早く公表し、自分のものにするため、博士の心臓手術の担当となったバリーは、慎重な姿勢をみせる博士の手術で溶ける糸を使用。自然死にみせかけて殺そうとします。

しかし、手術後、オペナースだった看護師が不審な糸を発見し、異変に気付きます。バリーは発覚および露呈を防ぐために看護師を殺し、その罪を看護師の元恋人であり麻薬中毒の来歴がある男になすりつけようとします。

コロンボは、麻薬中毒だった男が薬を手に入れるため元恋人を襲ったという事件のあらましに疑問を抱きます。
その後、溶ける糸による博士殺害計画に気付いたコロンボはバリーに迫ります。さらに、ハイデマン博士の再手術後、手術室に乗り込みます。追い詰められたバリーは、再手術で取り除いた溶ける糸をコロンボのポケットに隠し、証拠隠滅を図ります。しかし、珍しく感情を露わにしたバリーを不審に思い、コロンボは自分のポケットに糸が隠されていることに気付きます。

©Universal City Studios


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登場人物とキャスト


  • コロンボ警部(

    ピーター・フォーク





    ロサンゼルス市警警部。かみさんの具合が悪くなり、登場時は寝不足。茹で卵のからを現場に捨て怒られる

  • 【犯人】バリー・メイフィールド(

    レナード・ニモイ




    心臓外科医。ハイデマン博士の共同研究者で主治医。自身の名声のために恩師の殺害を企てる冷酷な野心家。コロンボに対して常に冷静で、挑発的な態度をとることも

  • エドモンド・ハイデマン博士(

    ウィル・ギア




    心臓外科医。心臓移植の権威であり、メイフィールドの恩師。持病の心臓病で倒れ、メイフィールドの手術を受ける。研究の早期発表には慎重な姿勢

  • 【被害者】シャロン・マーティン(

    アン・フランシス




    看護師。ハイデマン博士を慕っているが、メイフィールドには懐疑的。博士の手術後、メイフィールドの計画に気付いてしまったため、殺害されてしまう
  • マーシャ・ダルトン(ニタ・タルボット)
    看護師。シャロンのルームメイト。シャロンについて利他主義で天使のような人だったとコロンボに話す
  • ハリー・アレギザンダー(ジャレッド・マーティン)
    麻薬中毒患者。シャロンの元患者で親交があった。メイフィールドの偽装工作に利用される。左利き
  • フローレス(ヴィクター・ミラン)
    刑事
  • ポール医師(ケン・サンソム)
    手術用の糸について解説する医師
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トリック解説

犯人のバリーは溶ける糸で博士を殺害しようとします。博士は助かりますが、看護師と看護師の元恋人が犠牲になります(なお、元恋人のハリーは生死不明)。

自然死偽装

バリーは博士の心臓手術に溶ける糸を使用します。糸が溶けると、心臓の弁が分離し、博士は死に至ります。なお、溶ける糸は、病院関係者にとっては特別な糸ではなく、抜糸が必要ない手術用の糸として、一般的に使われています。

強盗殺人偽装

看護師の死を強盗殺人に偽装します。犯人は看護師の元恋人です。この元恋人は以前麻薬中毒患者でした。
バリーは看護師殺害後、彼女の部屋を荒らしモルヒネの瓶を置きます。そして、看護師が麻薬を横流ししていたかのように偽装します。

事故死偽装

バリーは元恋人にモルヒネを注射して意識を奪い、転落死にみせかけて始末します。

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犯人のミス

コロンボが犯人の偽装工作を疑い、真相に気付くヒントです。

ちぐはぐな証拠

看護師が死んだという事実をコロンボから聞いた時、バリーは時計の針を直しています。全く動じないバリーの行動に、コロンボは疑いをもちます。

  • 看護師の部屋の指紋
    看護師の死を麻薬中毒者の犯行に偽装しましたが、部屋には犯人らしき人物の指紋が残っていませんでした。麻薬中毒者が禁断症状を起こして犯行に及んだならば、指紋に注意するほどの余裕はないはずです
  • 元恋人の利き手
    バリーはハリーの利き手にモルヒネを注射しています。元恋人は自分でモルヒネを打って死んだという筋書きでしたが、利き手に打たれていたので、注射器は利き手ではない手で持っていたことになります。利き手ではない手で注射器を扱うのは不自然です(コロンボが看護師の元恋人であるハリーを訪ねた際、彼が左手でマッチを擦り、タバコを挟んでいる描写があります)
  • バリーの激怒
    バリーは手術室に入ったコロンボに激怒しながら近付き、回収した溶ける糸をコロンボのポケットに隠します。普段、感情を表に出さないバリーのこの言動は、コロンボの印象に強く残ります。そして、この激怒がきっかけとなりコロンボは自分のポケットに隠された糸に気付きます

不自然な言動

メイフィールドは、シャロンのルームメイトであるマーシャに、シャロンの元患者であるハリー・アレギザンダーのことを警察に話すように仕向けました。コロンボは、メイフィールドがマーシャに「忘れず警察に話すんだよ」と言っているのを聞いており、メイフィールドが第三者に嫌疑を向けようとしている意図を見抜きます。

決定的な証拠

看護師は溶ける糸を調べるため「マックと会う」といった内容のメモを残していました。
コロンボは『マック』を人名と勘違いしていましたが、手術用の糸などを製造するメーカー(マーカス・アンド・カールソン、略してMAC)であることに気付きます。これにより、コロンボは溶ける糸の存在に気付きます。

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コロンボの罠

コロンボは、ハイデマン博士がもし死亡すれば司法解剖で溶ける糸が発見され、メイフィールドが逮捕されると告げ、机を叩くなど迫真の演技でメイフィールドを精神的に追い詰めます。これにより、メイフィールドは博士が死ぬ前に溶ける糸を取り出すために再手術を決断せざるを得なくなります。
コロンボは、メイフィールドが再手術で取り出した溶ける糸を必ず隠そうとすることを見越していました。その隠蔽行動の現場を押さえることで、糸そのものと隠そうとした行動を合わせて確かな証拠にしようとしました。

手術直後の身体検査で糸が見つからず落胆したコロンボですが、普段どんな時も冷静だったメイフィールドが、手術室でコロンボに掴みかかり怒りを露わにした瞬間の不自然さに気づきます。この感情の爆発が、糸を絶対に捜索されない場所に隠すための意図的な行動だったと推理し、自身のポケットを探って証拠の糸を発見します。

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感想

自分の手術で、誤って溶ける糸が使われてしまったら…、と思うとちょっと怖いですね。そんな医療過誤は滅多に起きないと思いますが、コロンボを見る度に思い出すので、頻繁に起きている気がしてしまいます。

ちなみに古畑任三郎「殺人特急」も医者が犯人でした。内容は大きく異なりますが、外科医のヒモの結び方が古畑のエピソードには登場します。

  • ポジティブ感想
    • コロンボファンから高く評価されているエピソード!人気ランキングでも上位に入ることが多い!
    • コロンボとメイフィールドのバチバチの対決がスリリング
    • ラストの決め手となる「意外な証拠の隠し場所」が見事
    • 犯人役のレナード・ニモイの存在感がすごい
  • ネガティブ感想
    • 犯行トリックが杜撰、動機がボヤけている、決め手に納得がいかないなど、トリック重視の視点からは物足りなさを感じる
    • ドラマ重視かトリック重視かで賛否が分かれそう
    • 邦題「溶ける糸」はトリックをそのまま示しており、ネタバレになっている
    • 手術中に落ちていた糸をシャロンが拾い上げるが…大事な糸を落とすのは間抜けではないか?何か事情があったのか?

口コミ分析

海外サイトの口コミには、good、great、excellent、surgeon(外科医)、temper(癇癪)などが書き込まれています。

国内の口コミでは、糸取り出す、ポケットの糸、怒り爆発などが書き込まれています。

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考察

医療関係者にとっては何の変哲もない知識かもしれませんが、一般の人からすると〈溶ける糸〉の存在は専門的な知識だと思います。溶けるとはいえ、消えてなくなることはないので、何らかの痕跡は残るはずですが、時間がたつと排出されてしまって、跡形もなく消え失せるのかもしれません。
こういった専門的な知識を使ったトリックはいろいろとあり、それが売りになっているミステリーもかなり多いと思います。ただ、フェアさが損なわれるので、本格って感じではなくなる気がします。

メイフィールドの犯行は殺人未遂が2件(ハイデマン博士と中毒患者のハリー)と強盗殺人が1件(看護師のシャロン)です。ハイデマン博士の殺人未遂は糸という決定的な証拠が残っていますので、気持ちいくらい、まず間違いなくメイフィールドの犯行です。ただ、シャロンとハリーへの犯行は、ドラマを見る限り、これといった決め手はなさそうでした。「目撃者がいそう」とか言い出すと切りがないですが…。

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小ネタ

  • 初の試み
    外科医でないと到底不可能なトリックが登場。シリーズで初めて、特定の職業でないと不可能な犯罪が描かれる
  • アン・フランシス
    被害者の看護師シャロンを演じたアン・フランシスは、『死の方程式』にも出演している
  • コロンボの激怒
    有名な激怒シーンは日本語吹き替え版独自の演出らしい。原語版では怒りを抑えたトーンになっている
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この記事のまとめ

刑事コロンボ「溶ける糸」について、あらすじやトリックをご紹介しました。原題は「A Stitch in Crime(犯罪における糸)ですので、日本語タイトルの「溶ける糸」とはやや異なります。
最後にドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 自然死を偽装
ミス 犯行の発覚
動機 成果の独り占め
凶器 手術の糸
トリック 糸が溶ける
コロンボの罠

ここでは博士殺害計画についてまとめています。

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