偶像のレクイエム・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ14】

刑事コロンボS2E5・第14話「偶像のレクイエム(Requiem for a Falling Star)」のあらすじとトリック解説です。往年の映画スター、ノーラ・チャンドラー(アン・バクスター)が登場し、ねらいが隠されたエピソードです。


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あらすじ

女優のノーラ・チャンドラーは振るわなかった作品の損失を撮影所に押し付けるため、帳簿を誤魔化していました。この不正がゴシップ記者のジェリー・パークスにばれ、強請られることになります。ゆすりから逃れるため、ジェリー・パークスを殺害しますが、亡くなったのはゴシップ記者の婚約者であり、そして、ノーラの秘書でもあるジーンという女性でした。
誤って秘書が殺されたようにみえる事件でしたが、ノーラの本当の狙いは過去の夫殺害を知る秘書を始末することにあり、実は彼女の計画通りにことが進んでいました。

コロンボは秘書が狙われたことや、ノーラの夫が噴水の下に埋まっていることに気付きます。そして、ノーラを逮捕するため、彼女の前で、夫の死体が見つかったような芝居をします。
焦った犯人のノーラは死体が埋まっている噴水に駆けつけます。その姿を待ち伏せていたコロンボが確認し、ノーラを問い詰め、逮捕します。

©Universal City Studios


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登場人物とキャスト


  • コロンボ警部(

    ピーター・フォーク

    声:小池朝雄)



    ロサンゼルス市警警部。ノーラの大ファン。初対面で感動し、カミさんに電話をかけようとする

  • 【犯人】ノーラ・チャンドラー(

    アン・バクスター




    往年の映画スター。現在はテレビを中心に活動

  • ジェリー・パークス(

    メル・ファーラー




    ゴシップ記者(ゴシップライター)。ノーラを脅迫する
  • 【被害者】ジーン・デイヴィス(ピッパ・スコット)
    ノーラの秘書。パークスと婚約する
  • フランク・シモンズ(ケヴィン・マッカーシー)
    会社の重役(撮影所のオーナー)
  • ウィリアム・ブライアント(ジェフリー)
    刑事
  • フランク・コンヴァース(ファロン)
    撮影所所長
  • イーディス・ヘッド(イーディス・ヘッド
    衣装デザイナー。本人役で出演
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トリック解説

犯人のノーラは、ジェリー・パークスから過去の帳簿操作をネタに脅迫を受けていたため、ジェリーを殺害しようとしますが、誤って秘書のジーン・デイヴィスを殺害しています。
標的を間違えるという致命的なミスを犯し、無関係の人物を殺したようにみえましたが、ほんとうのねらいは、12年前の夫殺しの秘密を知る秘書を始末することにあります。つまり、ミスではなく、犯行に成功していました。なお、夫殺しは失踪に偽装しており、秘書殺害の時点では、完全犯罪になっています。

人違い殺人偽装

ノーラは敵が多く恨まれやすいパークスが狙われたようにみせて人違い殺人を偽装し、本来のねらいである秘書を始末しています。犯行動機は口封じで、口を封じたかったのは、帳簿操作を知るパークスではなく、夫殺しの秘密を知る秘書のジーンでした。のちにパークスの殺害動機を解消することで、容疑者から完全に外れようともしています。
大前提となるのは、犯人のノーラには秘書を殺す動機がない、すなわち、ノーラの夫失踪に何ら疑いの余地がないという部分です。

秘書殺害の手口は以下の通りです。

  • ノーラは秘書に用事をいいつけ、パークスのサイン会が行われている書店へ向かわせる。ノーラは秘書を外出させれば、婚約者であるパークスのもとへ向かうことを確信していた
  • (先回りして秘書の車のタイヤから空気を抜く)
  • タイヤがパンクしたと思った秘書は、婚約者であるゴシップ記者・パークスの車を借りてパークス邸へ
  • ノーラはパークス邸のガレージにガソリンを撒いて待ち伏せ
  • ノーラが帰ってきたパークスの車に火を放ち運転手を焼死させる
  • 帰ってきたのはパークスの車なのでパークスが運転しているはずだが、パンクが原因で、運転していたのは秘書だった

当初は、犯人がタイヤの空気を抜いたという事実が隠されているため、偶然パンクがおき、不運にも秘書が殺害されてしまったという見立てになります。

ノーラはゴシップ記者殺害の動機を消すため、粉飾の事実を撮影所の所長に打ち明け和解します。ゴシップ記者を狙った殺人事件であるとミスリードされれば、ノーラの動機はなくなります。

過去の事件について(夫殺害)

ノーラは13年前に夫を殺しており、死体は噴水の下に埋めて隠しています。このとき、夫が失踪したようにみせるため、女優という職業を活かして男に変装し、夫の行動をでっちあげています。

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犯人のミス

コロンボが真相に気付くヒントです。ノーラの計画は一旦成功したかに見えましたが…、いくつかの不自然な点や犯人のミスがコロンボの疑いを招きます。

ちぐはぐな証拠

警察は当初、タイヤのパンクという偶然によりジーンが犠牲になった「人違い殺人」だと推理します。しかし、コロンボは、犯人が放火時に車のドライバーが誰かを確認できたはずだと考え、最初からジーンが狙われた可能性に気づき始めます。

秘書の車のタイヤは空気が抜かれていまいたが、これには、いくつか不審な点がありました。

  • 点検直後の車
    秘書の車は、その日、点検を終えたばかりでした。点検後、すぐにパンクしたというのは考えにくい状況です
  • パンクの痕跡
    そもそも、パンクの痕跡が残っておらず、パンクの原因が不明でした
  • いたずらの痕跡
    いたずらでタイヤの空気が抜かれたとしても、その場合は、タイヤの栓が外れている場合が多いと、コロンボは話します

ノーラはお金に困っているのにも関わらず、家や土地を売ろうとはしませんでした。これを不審に思ったコロンボは、ノーラの自宅に秘密があると疑います。

また、コロンボがパークスが帳簿操作以外の秘密を握っているかのようにほのめかした際に、ノーラが普段飲まないお酒を飲もうとしたことから、コロンボはノーラが帳簿操作以上の重大な秘密を抱えていると確信しています。

証拠

ノーラは車を燃やす際、撮影所の黒い小型車を使っています。火事の直後、パークス邸から黒い小型車が逃走するのを目撃した人物がおり、この人物の証言から犯人がスタジオ関係者である可能性が浮上し、ノーラへの疑いが深まります。

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コロンボの罠

コロンボは、死んだ夫が失踪直前にはめていた指輪をノーラに見せます。指輪は偽物でしたが、それをみたノーラは、焦って死体を埋めた噴水へ向かいます。その姿をコロンボに確認されたノーラは追い詰められ、自供します。

犯人(ノーラ)と秘書の会話は視聴者への罠といえます。ふたりは、粉飾について言い争っているように見えますが、ほんとう話題は夫の殺害でした。

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感想

犯人の重要な行動が意図的に隠されているエピソードです。古畑任三郎では「今、甦る死」と共通点のある作品です。

  • ポジティブ感想
    • 倒叙ミステリにアクシデント要素を取り入れたストーリー展開の評価が高い
    • 伏線やダブルミーニングの会話が巧妙
    • 最後のどんでん返しや、伏線が一気につながる展開が見事
    • コロンボシリーズとしての評価はわかれそうだが…ミステリードラマとしてみれば面白い!
  • ネガティブ感想
    • 犯行トリックがイマイチ、犯人の追い詰め方が弱い、決め手の証拠が捏造である点などなど
    • ノーラが夫を殺しているという事実は、早い段階で(視聴者が)気付けそうである
    • パークスが秘書ジーンを本当に愛していたのか疑問
    • 犯人がラッキーすぎないか?
    • コロンボ物としては異色で物足りない

口コミ分析

海外サイトの口コミには、good、great、movie、starなどが書き込まれています。

国内の口コミでは、間違う、動機などが書き込まれています。

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考察

倒叙っぽくないエピソードですので、評価はわかれそうですが、犯行手口は特に動機が消え失せる点は巧みです。
殺人の秘密を知る人物を始末するために、いろんな人から恨まれている人をねらった人違い殺人に偽装しているわけですが、「不幸にも間違えられて殺されていました…」という展開や真相はミステリー作品で珍しくないと思います。ただ、〈コロンボ〉シリーズのエピソードとしては稀な構成だと思います。

それにしても、倒叙形式などで犯人の視点が描かれているとなると、結構アンフェアに思えてしまいます。強請屋が狙いであると読者あるいは視聴者に思い込ませた上で、ほんとうの動機を隠していたという印象が強くなる気がします。

最後に、コロンボの罠についてです。相棒などの刑事ドラマで結構登場する内容だと思いますが、拷問や脅迫などを経た自白は自白として認められません。しかしながら、刑事が嘘をついて結果的に自白に至った場合は特に問題ないようです。ただし、このエピソードでコロンボがみせた指輪は捏造ですので、前話『ロンドンの傘』と同様、裁判で使える証拠にはならなさそうです。

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小ネタ

  • イーディス・ヘッド
    ノーラの友人として登場する衣装デザイナーのイーディス・ヘッドは本人役で友情出演している(アカデミー衣裳デザイン賞を8回受賞した人物)
  • メル・ファーラー
    ジェリー・パークス役のメル・ファーラーは、大女優オードリー・ヘプバーンの最初の夫
  • 友愛結社(T-CLUB)
    英語版では「シュライナーズ」というフリーメイソンの外郭団体を意味している
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この記事のまとめ

刑事コロンボ「偶像のレクイエム」について、ネタバレありであらすじやトリックをご紹介しました。原題は「Requiem for a Falling Star」で直訳すると「落ちぶれたスターのレクイエム」です。日本語タイトルとはやや異なりますが、意訳すると同じ意味になりそうです。最後にドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 関係ない人物の殺害に偽装
ミス パンクの痕跡
動機 口封じ
凶器 ガソリン(爆殺)
トリック
コロンボの罠 死んだ夫の指輪

ここでは、犯人の秘書殺害についてまとめています。

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