闘牛士の栄光・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ35】

刑事コロンボS5E4・通算第35話『闘牛士の栄光(A Matter of Honor)』は闘牛士や闘牛が登場するエピソードです。この記事では、あらすじやトリック解説などをご紹介しています。

スポンサーリンク

あらすじ(ネタバレ注意)

メキシコの牧場主であるルイス・モントーヤ(リカルド・モンタルバン)は、かつて闘牛士として活躍し、現在も英雄として国民に認められる存在でした。そんなモントーヤには、闘牛士を引退した理由に、ある秘密がありました。秘密を隠し続けていたモントーヤでしたが、闘牛の暴走事故がきっかけとなり、古参の助手に秘密を知られてしまいます。秘密を知られたモントーヤは、助手を闘牛のリングに誘い出し、闘牛に襲わせて殺害。事故死に偽装します。

休暇でメキシコに来ていたコロンボは、地元警察と協力し、事件を調査します。そして、モントーヤの供述に不審な点をみつけ、事故ではなく殺人事件として捜査を進めます。しかし、集まるのは状況証拠ばかりで、決定的な証拠はなく、モントーヤの動機もつかめません。
モントーヤが犯人であると確信するコロンボは、モントーヤが闘牛士として闘うように仕向け、動機を立証しようとします。コロンボの罠にはまり、闘牛と闘うことになったモントーヤは、闘牛を目の前にして動けなくなり、周囲に無様な姿をさらします。モントーヤは、闘牛の英雄として讃えられていましたが、現在は、闘牛に怖気づいてすくんでしまうような状態でした。助手殺害の理由は、闘牛の暴走事故で、助手にこの姿を見られたためでした。動機を立証されたモントーヤは黙って、警察の車に乗り込みます。

©Universal City Studios

スポンサーリンク

登場人物とキャスト

  • コロンボ警部(ピーター・フォーク)
    ロサンゼルス市警の警部。妻との休暇中にメキシコで自動車事故に遭い、その縁で地元警部の要請を受けて殺人事件の捜査に 協力することになる。異国の文化や闘牛について知識がないながらも、持ち前の鋭い洞察力で事件の真相に迫る。
  • ルイス・モントーヤ(リカルド・モンタルバン)
    メキシコの国民的英雄として知られる元伝説的闘牛士。現在は自身の牧場を経営している。高潔なプライドと名誉を重んじる 人物だが、過去の自身の弱みをエクトールに知られ、その秘密を守るために殺人を犯す。
  • サンチェス警部(ペドロ・アルメンダリス・ジュニア)
    メキシコの地元警察の警部。コロンボが過去に豪華客船での殺人事件を解決したことを新聞記事で知り、コロンボの能力を高く評価している。彼をメキシコの英雄であるモントーヤの捜査に巻き込むことで、自身のキャリアを守ろうとする一面もあるが、最終 的にはコロンボの良き協力者となる。
  • エクトール・ランヘル(ロバート・カリカート)
    モントーヤの長年の親友であり、闘牛士時代の相棒、そして牧場の牧童頭を務める人物。モントーヤの秘密を知ってしまい、 牧場を去る準備を進めていた最中に、モントーヤによって命を奪われる被害者。
  • クーロ・ランヘル(A・マルティネス)
    エクトールの息子で、モントーヤの牧場で修行する若手闘牛士。猛牛マリネロに襲われ負傷するが、その事故がモントーヤの 殺人のきっかけとなる。モントーヤの娘ニーナとは恋人関係にある。
  • ミゲル(エミリオ・フェルナンデス)
    モントーヤ牧場で働く牧童。事件当日、モントーヤの指示で南側の牧場にいたため、事件の直接的な目撃者ではない。陽気で 酒好きというメキシコ人のステレオタイプな描写がされている。
  • ニーナ・モントーヤ(マリア・グリム)
    ルイス・モントーヤの娘。アリゾナに住んでいるが、父親の事件を聞いて駆けつける。クーロ・ランヘルと恋人関係にある。
スポンサーリンク

トリック解説

犯人のモントーヤは、麻酔を使って被害者の自由を奪い、闘牛をけしかけます。

暴走事故

殺人の前日、ある闘牛が暴走し、助手の息子を襲います。
息子は一命をとりとめますが、病院送りとなります。

闘牛の暴走事故は、偶然です。暴走事故は、助手殺人の動機が生じる前、つまり、モントーヤの秘密が露呈する前に起きています。殺人の動機がないのに、事故を仕込む理由はありません。

事故死偽装

助手が闘牛に殺されても不自然ではない状況を生み出すため、闘牛の暴走事故を利用します。

動機の捏造

モントーヤは、息子を襲った闘牛に復讐するため助手がひとりで闘牛と闘い死んだ、という筋書きを用意します。

麻酔

微量の麻酔を助手に打ち、体の自由を奪います。
全く動けないほどの麻酔では、動くものに反応する闘牛が襲わなくなるため、ある程度、体が動くように麻酔を調整します

人払い

牧場の従業員に休暇を与え、牧場から人を遠ざけます。

アリバイ工作

助手が生きていたように証言し、死亡時刻を遅らせます。
犯人が公演のためアメリカへ出発したのは午後4時30分です。この時まで助手は生きており、犯人が出発した後、闘牛と闘い死んだ、というのが嘘の証言の内容です。

動機の隠蔽

助手の息子が襲われた事件について、嘘を話し、動機を隠します。

モントーヤは、自分が闘牛と闘ったように話しますが、本当は、助手が闘っています。

スポンサーリンク

犯人のミス

コロンボが真相に辿り着く手がかりです。

ちぐはぐな証拠

事故とは思えない証言や証拠などです。

助手の勝手な行動

闘牛の値段は高いため、助手が、牧場主に断りもなく闘牛を始末するというのは、考えにくい状況です。

車のワックス

モントーヤの証言では、助手が突然牧場に残ると言い出したことになっています。
しかし、モントーヤは移動に使う車のワックスがけを、事前に依頼しており、助手の居残りを知っていたような言動をみせます。

殺人の当日、犯人のモントーヤは、アメリカで公演の予定がありました。
いつもは助手が運転するクラシックカーで移動していますが、このクラシックカーは助手でないと運転が難しい車でした。
助手は死んでいるため、モントーヤは別の車を使って移動することになり、この別の車にワックスがけを依頼していました。

死体の位置

助手は、闘牛が放たれるゲートから遠いところで死んでいました。
ひとりでゲートを開けたにしては、不自然な距離です。

帳簿

犯人のモントーヤは、助手が帳簿の整理があるといって牧場に残ったと証言します。
コロンボが確認すると、帳簿は既に〆てあり、モントーヤの署名も記されていました。

ケープの汚れ

闘牛に使う赤いケープは、ほとんど汚れていませんでした。

天候

犯人の嘘の証言により、被害者となった助手が闘牛と闘ったのは午後5時30分ごろと考えられておりましたが、その日、午後4時から7時までは、強風が吹いていました。
強風の場合、意図せずケープがあおられないようにするため、ケープを水で濡らすはずです。しかし、ケープに水のシミはなく、死体が見つかった闘牛のリングには、水を入れた器もありませんでした。

以上のことから、被害者が闘牛と闘ったのは、強風が吹いていなかった午後4時よりも前になります。そして、モントーヤが牧場を出発したのは午後4時30分なので、被害者が闘牛と闘ったとき、モントーヤは牧場にいたことになります。

犯行の証拠

モントーヤによる犯行、そして、その動機を匂わせる証拠です。

麻酔銃の跡

被害者には、麻酔銃の針の跡が残っていました。

なお、麻酔は微量だったため、検出されていません。

被害者の荷物

被疑者の助手は、荷物をまとめていました。助手が辞めようとしていた、もしくはクビになったという状況を疑わせる証拠になります。

折れたランス

死体発見現場となったリングには、ランスと呼ばれる道具の破片が落ちていました。ランスは、リングに持ち込む道具ではありません。

行方不明のランス

助手のランスが行方不明になっていました。

モントーヤは、自分が闘牛と闘ったと話しますが、本当は助手です。助手が闘ったため、助手のランスが折れて、破片が転がっていました。

スポンサーリンク

コロンボの罠

コロンボは、闘牛に襲われて病院送りになった助手の息子と協力し、モントーヤが闘牛と闘わざるを得ない状況に追い込みます。

闘牛を目の前にして何もできなかったモントーヤは、隠し続けていた秘密をコロンボや助手の息子に知られ、そして、黙って警察の車に乗り込みます。

スポンサーリンク

感想

原題は「A Matter of Honor」で直訳すると「名誉の問題」や「名誉の事情」となります。matterには「重要である」という意味もあるため、「名誉に関わる重大事件」という掛詞と解釈できます。邦題の「闘牛士の栄光」とはやや異なりますが、モントーヤの誇りを端的に表しています。
本作では、元闘牛士という変わった職業の人物が犯人です。牛が凶器というのは珍しいかもしれませんが、生き物が凶器もしくは犯人というのは、19世紀後半に既に登場しているトリックといえます。コミカルなシーンとしては、「仕事の虫、メキシコではまぬけと言います」などが笑えます。

口コミ分析

海外サイトの口コミには、bull、Mexican、goodなどが書き込まれています。

国内のサイトには、動機、立ち竦むなどが書き込まれています。

スポンサーリンク

考察

コロンボのファーストネームが明らかになるエピソードと言われています。
車の事故でIDを出しており、拡大してみると「Lt. Frank Columbo」と書かれているようです(Lt.はlieutenant;アメリカの発音でルテナントの略で警部補という意味です)。つまり、ファーストネームはフランク(Frank、フランク・シナトラのフランクと同じ綴りで、発音も同じだと思われます)であることがわかります。>コロンボのファーストネームが登場するのは、これで2回目です。最初に登場したのは「ホリスター将軍のコレクション」です。第5話『ホリスター将軍のコレクション』についてはこちらにまとめています。

スポンサーリンク

余談

  • 本エピソードは、第29話「歌声の消えた海」の続編のような位置づけで、コロンボがメキシコで有名になっているという設定が語られます。これは、コロンボがロスアンゼルスを離れて事件を解決した数少ない作品の一つです。
  • ルイス・モントーヤを演じたリカルド・モンタルバンは、SF映画『猿の惑星』シ リーズの「アーマンド」役や、『宇宙大作戦』および映画『スタートレックII カーンの逆襲』で「カーン」役を演じたことで特に有名です。また、コメディ映画『裸の銃を持つ男』の悪役としても知られています。
  • 牧童のミゲルがメスカルを飲んでご機嫌になるシーンや、「仕事に頑張りすぎるヤツは間抜けだ」というデルガドのセリフなど、陽気で誇りを大切にするメキシコ人の国民性が垣間見えます。
  • コロンボの愛車プジョー403はメキシコで交通事故に遭い、一時的に運転できなくなります。コロンボが妻をバスでロサンゼルスへ帰らせる一方、自身は車が返却されるまでメキシコに残ることから、多くの視聴者はコロンボがメキシコまで車で来ていたことに驚きを覚えました。
  • 本作の監督テッド・ポストは、他に『刑事コロンボ』では「ハッサン・サラーの反逆」も手掛けています。また、クリント・イーストウッド主演の「ダーティハリー2」や「荒野のストレンジャー」など、アクション映画でも知られる監督です。
スポンサーリンク

この記事のまとめ

刑事コロンボ「闘牛士の栄光」について、ネタバレありであらすじやトリックをご紹介しました。最後にドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 事故死を偽装
ミス 車のワックス
動機 無様な姿をみられたため
凶器 闘牛
トリック
コロンボの罠 闘牛をけしかける
スポンサーリンク

関連記事

タイトルとURLをコピーしました