仮面の男・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ34】

刑事コロンボS5E3・通算第34話『仮面の男(Identity Crisis)』はCIAが登場するエピソードです。パトリック・マクグーハンが犯人役を演じ、監督も務めています。この記事では、あらすじやトリック解説などをご紹介しています。

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あらすじ(ネタバレ注意)

経営コンサルタントのネルソン・ブレナーは、CIAの西部支局長を務めるエージェントでありながら、ある国のスパイとしての顔も持つ、二重スパイでした。そんなブレナーは、二重スパイであることを知るCIAのかつての相棒に強請られたため、あるフィルムの取引を捏造。相棒を強盗殺人にみせかけて殺害します。
コロンボは、被害者が立ち寄ったバーや泊まっていたホテルから情報を得て、ブレナーが遊園地で被害者と会っていたことを突き止めます。そして、物取りの犯行と考えるには不自然な点を突き付け、ブレナーを追い込もうとします。

CIAからの圧力がかかる中、コロンボは、ブレナーがフィルム取引の首謀者であることを見抜き、さらに、ブレナーのアリバイも崩します。ブレナーは、強盗殺人が起きた当夜、事務所で演説用の台本をテープに吹き込んでいたというアリバイを用意していました。その台本には、中国のオリンピック不参加に関する内容が含まれており、そのニュースは、事件が起きた日にはまだ報道されていない情報でした。コロンボに、数々の証拠を突き付けられたブレナーは、逆転負け、を認めます。

©Universal City Studios

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トリック解説

犯人のブレナーは、架空の取引にCIAの相棒を誘い出し、殺します。

取引捏造

ブレナーは、海軍の暗号が記録されたマイクロフィルムの取引を捏造します。フィルムの持ち主であるスタインメッツはブレナーが変装した姿です。CIA側は、ブレナーのかつての相棒です。スタインメッツ側は、金で雇った黒人です。ブレナーが首謀の偽取引なので、どちらも、ブレナー自身が仕込んだ人物ということになります。

強盗殺人偽装

取引役を「おいはぎ天国」と呼ばれる強盗多発地域で待ち合わせさせ、相棒の方を殺します。強盗の犯行にみせるため、財布の札などを抜き取ります。

罪のなすりつけ

強盗殺人の罪を取引相手だった黒人になすりつけます。
ブレナーは、黒人の運転する車に、相棒が持っていたクレジットカードを仕込みます。そして、黒人が運転している時に爆破。殺さない程度に爆発させることで、車に仕込んだクレジットカードをみつけさせ、黒人を容疑者にします。なお、CIAの相棒は、ある広告代理店の人物に成りすましていました。そのため、クレジットカードは、その人物のものになります。

アリバイ工作

ブレナーは、演説の台本作成を利用して、相棒殺害時のアリバイを作ります。
台本は、テープに吹き込んで作ります。実際、ブレナーが台本を作成したのは事件の翌朝です。そこで、テープに11時を知らせる時計のチャイムが入るようにするため、時計を進めます。11時であれば、11回チャイムがなる仕組みの時計です。

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犯人のミス

コロンボが真相を突き止める手がかりです。

ちぐはぐな証拠

強盗の犯行とは思えない証拠とアリバイの不審点です。

頭の傷

被害者となったCIAの相棒は、頭を2回殴られていました。
最初の1発は、正面から顔を殴られていたので、強盗ではなく、顔見知りの犯行を疑わせるような状況でした。

被害者のコート

被害者はコートも脱がされていました。
単なる強盗がわざわざコートも脱がすというのは、考えにくい状況です。

コートを脱がせた理由は、被害者が所持していたホルスターと銃を奪うためです。
これは最後まで明かされない謎のひとつです。冒頭のワンシーン(ホルスターと銃のアップ)が伏線になっています。

ブラインドを閉める音

ブレナーは、朝方にアリバイ工作のためテープを準備したため、何気なく閉めたブラインドの音が入っていました。
吹き込んだのは夜のはずなのに、ブラインドを閉めるというのは不自然な行動です。

ブラインドの音についてブレナーは、人目を気にした、などと話し、言い逃れしています。

中国のオリンピック不参加

ブレナーは、演説の内容に、中国オリンピック不参加、という内容を盛り込んでいました。
これは、強盗事件の翌日でなければ絶対に知ることはできないニュースでした。

演説のシーン(ブレナーとコロンボが最初に対面するシーン)で、演説者が、中国のオリンピック不参加についてスピーチしています。

犯行の証拠

ブレナーの事件関与を匂わせる証拠です。

遊園地の写真

ブレナーは相棒と遊園地で待ち合わせし、フィルムの取引の話をします。
この時、遊園地のスタッフに、ふたりで並んで歩いている写真をとられます。

ブレナーは写真とネガを買い取りますが、他の来園者の写真に、ブレナーと相棒が映り込んでいました。これが根拠となり、コロンボは強盗殺人からブレナーへとたどり着きます。

相棒は、広告代理店の社員のふりをしていました。ブレナーは、この人物との関係を尋ねられた時、引き抜きを検討していたと嘘をついています。

昔の写真

ブレナーの昔の写真をみると、生え際が後退していることがわかります。その写真に、黒人がみたスタインメッツの人相を合わせると、スタインメッツそっくりの顔になるということが明らかになります。

ブレナーはカツラでした。

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感想

コロンボの愛車は、アメリカに3台しかない骨とう品であることが判明します。原題は「Identity Crisis」で直訳すると「自己認識の危機」です。邦題の「仮面の男」とは異なります。
なお、報道の内容というのは「さよなら、DJ」にも登場します。古畑任三郎vs桃井かおり『さよなら、DJ』についてはこちらにまとめています。

口コミ分析

海外サイトの口コミには、CIA、agent、greatなどが書き込まれています。

国内口コミサイトには、オリンピック不参加、地位に飽きるなどが書き込まれています。

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考察

タイトルの「Identity Crisis」は直訳すると「自己認識(アイデンティティ)の危機」となります。これは、もしかすると、犯人がカツラだったことを意味しているのかもしれません。
自分は薄毛である、しかしながら、カツラを被っているので周囲からは薄毛だと認識されない。つまり、自分の認識する自己;ハゲと、他人が認識する自己;ハゲてない、にギャップがある、ということです。

スパイという職業にも、他者と自己の認識に大きな差異があるといえます。

麻雀とポーカーが賭けをした

犯人とコロンボの最後の掛け合いで、麻雀とポーカーが賭けをしたという内容が登場します。これは、英語を忠実に訳した台詞ではないため、翻訳者(日本人)の創作であると考えられます。つまり、日本人の感性で生まれた小話のはずですが、笑いどころが全く理解できないという感想が多い気がします。

ポーカー優勢で後半に逆転した、という話の内容から、コロンボと犯人の対決の暗喩であるというのは推測できます。しかし、コロンボが笑い話として、この話を切り出しているため、秘められたオチを予感してしまいます。これはむしろ、オチがないというすべり芸、もしくは、ハードルを高くしておきながら全然おもしろくないという一発芸、とも考えられます。あるいは、アメリカ人っぽくジョークを切り出したのに、ぜんぜん面白くないという、シーンをイメージしていたのかもしれません。

Lt. Columbo: Would you like to hear something funny?
Brenner: I’d love to.
Lt. Columbo: Today, the Chinese, they changed their minds.
Brenner: Did they, again?
Lt. Columbo: They’re back in the Games.
Brenner: In the Games. Mahjong.
Lt. Columbo: Mahjong.

セリフ引用

英語の台詞は上記の通りです。

the Cihneseとは、「東京の人は冷たい」や「日本人(the Japanese)はシャイだ」というような感覚で使われていると考えられます。つまり、コロンボは『気が変わりやすい』という中国人の特徴を、揶揄するように話しています。(ドイツ人っていうやつは議論が好きだ、というような感覚です)
the Gamesは、theが付いているので、犯人とコロンボが、お互いに知っているゲーム(ピンとくるゲーム)ということになります。そのthe Gamesが、直前のアリバイ崩しに登場したオリンピックかと思いきや、麻雀だった、というオチです。頭のいいブレナーは、オリンピックではなく麻雀ということに、すぐ気付いていますね…。

麻雀とポーカーの話に変わった理由は、おそらく、中国(人)を批判するような内容になるからではないかと思います。面白い話としてではなく、funnyには「滑稽な」という意味もあるようなので、次のように大きく変換すると、意味が通じるかもしれません。

コロンボ:なんというか……、その、滑稽ですね
犯人:何がかね
コロンボ:麻雀とポーカーが賭けをしたんですよ
犯人:それで?
コロンボ:最初は、ポーカーが優勢
犯人:……そしてついに麻雀が逆転
コロンボ:その通り

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この記事のまとめ

刑事コロンボ「仮面の男」について、ネタバレありであらすじやトリックをご紹介しました。偽装工作やミス、動機などについてまとめると以下のようになります。犯人は、二重スパイでした。このことを知る人物を口封じのため殺しています。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 強盗殺人を偽装
ミス ニュースの内容
動機 口封じ
凶器 鈍器
トリック 時計のチャイム
コロンボの罠
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