ハッサンサラーの反逆・あらすじ・ネタバレ解説【刑事コロンボ33】

刑事コロンボS5E2「ハッサン・サラーの反逆(A Case of Immunity)」のあらすじとトリック解説です。外交官が領事館で犯罪を犯すエピソードです。

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あらすじ(ネタバレ注意)

スワリ国ロサンゼルス領事館の総領事代理であるハッサン・サラーは、国の勢力争いのため、領事館の職員を騙して強盗殺人犯に仕立て上げ、領事館の警備隊長を殺害します。共犯者である職員も事故死にみせかけて殺し、すべての罪を職員になすりつけようとします。
コロンボは、警備隊長の殺害と強盗の嫌疑を職員に向けつつも、武器に細工ができた人物などの状況証拠から、ハッサンを疑います。さらに、死んだ職員がコンタクトレンズをしながら眼鏡をかけていたことを理由に、事故死ではなく、殺人を疑います。様々な根拠をもってハッサンを問い詰めるコロンボでしたが、ハッサンが国防省に圧力をかけたため、コロンボは退職の危機に陥ります。領事館に入れなくなり、しかも、外交官特権に守られているハッサンに対してコロンボは、決定的な証拠を掴むため、負けたふりをします。平伏したような様子のコロンボに気分を良くしたハッサンは、犯行について語り始めます。それを聞いていたスワリ国の国王がコロンボに加勢し、ロスで逮捕されなければ母国で処刑という状況にハッサンを追い詰めます。

©Universal City Studios

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登場人物とキャスト

  • ハッサン・サラー(ヘクター・エリゾンド)
    犯人。中近東のスワリ国ロサンゼルス総領事館の総領事代理。王族の血を引き、保守的な思想を持つが、その裏には権力への強い野望を秘めている。自身の目的のためならば、邪魔者を排除し、共犯者すらも平然と殺害する冷酷で狡猾な人物。外交官特権を盾にコロンボを翻弄する。
  • ユセフ・アラファ(アンドレ・ローレンス)
    被害者。スワリ国領事館の警備隊長。ハッサン・サラーの最初の犠牲者となる。
  • ロッホマン・ハビブ(サル・ミネオ)
    被害者。スワリ国領事館の暗号室に勤務する若き職員。ハッサン・サラーに唆され、祖国のために行動していると信じて殺害計画に加担するが、最終的には口封じのためハッサンに殺害される。
  • スアリ国王(バリー・ロビンズ)
    名前はアーマド・カマル。スワリ国の若き国王。西洋寄りの進歩的な考えを持ち、コロンボの捜査に理解を示し、最終的に彼に協力する。
  • クセーニャ・グラチョス(ブリオニ・ファレル)
    領事館の女性秘書。ユセフ警備隊長と親交があり、彼の習慣についてコロンボに証言する。
  • オーガスト(ビル・ザッカート)
    ロス市警の部長。コロンボに冷たい態度で接する。
  • カーミット・モーガン(ディック・ディンマン)
    アメリカ国務省の役人。外交問題への発展を懸念し、コロンボに捜査の中止と謝罪を要求する。
  • 検死官(ハーヴェイ・ゴールド)
    事件の検死を担当し、コロンボに遺体の状況を伝える。
  • オルテガ警部(ジェイ・バレラ)
    事件現場で捜査の指揮を執る。
  • デモ隊員(ジェフ・ゴールドブラム)
    領事館前で抗議活動を行うデモ隊の一員として、無名時代のジェフ・ゴールドブラムがカメオ出演している。
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トリック解説

犯人のハッサンは、領事館の強盗殺人をある職員の犯行に偽装し、その職員は事故死にみせかけて始末します。

強盗殺人偽装

過激派のひとりが、領事館の機密を盗むために強盗に入り、鉢合わせになった警備隊長を殺した、という筋書きです。

  • 共犯者
    犯人のハッサンは、領事館の職員を騙し、強盗殺人犯のように行動させます。ハッサンは、職員に、警備隊長が過激派の一員であると嘘をつき、さらに、その事実を暴露するための重要な任務であると偽って、職員を強盗殺人犯に仕立て上げます。
  • 部屋を荒らす
    強盗が入ったようにみせるため、金庫のある部屋を荒らします。さらに、金庫の中に入っている書類を近くの床で燃やします。
  • 警備隊長殺害
    部屋が荒らされた状態で警備隊長を呼びつけ、不意をついて、撲殺します。
  • 警備員のライフル
    領事館から外に出る際、警備員にライフルで撃たれる可能性があります。そこで、ハッサンは、ライフルから弾が出ないように細工します。

アリバイ工作

警備隊長殺害後、共犯者を使って隊長が生きているようにみせ、さらに爆弾で犯行時刻を遅らせます。

被害者が生きているようにみせる

ハッサンは警察署へ出掛け、国王来訪の警備について、警察官と打ち合わせをします。
そこに共犯者の職員が、警備隊長のふりをして電話をします。ハッサンが警備隊長と会話しているような演技をし、まわりの警察官に、警備隊長が生きているようにみせます。

共犯者の職員殺害時、ハッサンは、誰も取り次がないようにいいつけ、自室にいたという記録を残します。
そして犯行現場への移動手段は、近くの修理工場に出していた自分の車を使います。

電話の後、金庫を爆破します。こうすることで、爆破の音を聞いた警備隊長が金庫へ向かい、殺されたようにみせる(爆破の直後に死んだようにみせる)ことができます。

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犯人のミス

コロンボが真相に辿り着く手がかりです。

ちぐはぐな証拠

強盗の犯行とは思えない証拠です。

被害者の銃

警備隊長は、銃をホルスターにしまったままでした。爆破の音を聞いたはずなのに、銃を手にしていないというのは不自然な行動です。

しっくいの粉

部屋で燃えていた書類の上には、爆破の衝撃によって落下した天井のしっくいが、落ちていました。
爆破の前に、金庫の中身が外にあるというのは、おかしな状況です。

以上の証拠から、警備隊長と面識のある人物、金庫の番号を知り得た人物が犯人像として浮かび、コロンボは内部犯であると確信します。
犯人のミスのようにみえますが、結果、共犯者である職員に捜査の目を向けることができています。

コンタクトレンズ

ハッサンは、共犯者が車の運転中に事故死したようにみせるため、共犯者に眼鏡をかけさせます。しかし、共犯者はコンタクトレンズをしていました。
ハッサンの行動により、度の強い眼鏡とコンタクトレンズをかけているというちぐはぐな状況が生じます。

電話予約

ハッサンは、職員の行先として電話でホテルを予約します。
予約があった日、職員は電話のない暗号室にこもって仕事をしていたため、電話をかけることはできませんでした。

共犯者の金

ハッサンは、共犯者が領事館から金を盗んだようにみせようとします。
しかし、札束を束ねた帯封には、事件後に赴任したばかりの銀行職員(出納係)のハンコが押されていました。

コーヒーカップ

警備隊長は、殺される直前にコーヒーカップを自室に持ち込んでおり、そのコーヒーは飲まれずに残っていました。
もしも、ハッサンに電話した時まで生きていたのであれば、コーヒーが手つかずのはずはありません。

犯行の証拠

ハッサンによる犯行を匂わせる証拠です。

武器室の鍵

ライフルをしまっている武器室の鍵は、警備隊長とハッサンしか持っていませんでした。

警備員のライフルは週に1回点検しており、今までに一度も弾が出なかったことはありませんでした。このことがきっかけとなり、ライフルに細工をできた人物が容疑者として浮かび上がります。

車のメーター

共犯者殺害時に使用したハッサンの車は、距離計が増えていました。

犯人は、領事館から出るところを目撃されないようにするため、車を修理工場に預けましたが、修理工場では、距離計を記録していたため、車が使われたことが明らかになりました。

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コロンボの罠

圧力をかけられハッサンを追及できなくなったコロンボは、外交官特権で守られているハッサンを追い詰めるため負けたふりをします。

負けたふり

コロンボは、ハッサンに同情させ近付き、逮捕することはできないなどと言葉を重ね、ハッサンに犯行を語らせます。

国王との協力

気分よく犯行について話すハッサンでしたが、その内容をスワリ国の国王が別室で聞いていました。真相を知った国王は、ハッサンを自国で裁くと明言します。
国王とコロンボによって、逮捕か処刑かという状況に追い詰められたハッサンは、ロスでの逮捕を選びます。

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感想

前エピソードの「忘れられたスター」では、借りたペンと手帳を返し忘れましたが、今回は、デモ隊のプラカードを持って帰ろうとしました。
内容としては、刑事コロンボ「奇妙な助っ人」などに似たエピソードです。また、外交官が犯人というのは、古畑任三郎「すべて閣下の仕業」にも登場します。

外交官特権という特殊な状況下でコロンボがどう事件を解決するのかが大きな見どころで、結末の大胆な発想と、それによる爽快なラストシーンは高く評価されています。犯人ハッサン・サラーの、凛とした存在感と憎たらしいまでの悪人ぶりは、歴代のコロンボ犯人の中でも印象深いキャラクターかもしれません。ハッサン・サラーは、自国のためという大義名分を掲げながらも、実際には自己の権力欲を満たすために冷徹に殺人を犯すキャラクターでした。コロンボは、焼かれた書類の灰の上に漆喰が積もっているという些細な点から、金庫の爆破が殺人後に行われた偽装であることを看破。さらに、アラファ警備隊長のコーヒーが手つかずであったことや、ハビブの死体のメガネとコンタクトレンズの矛盾など、緻密な観察眼と論理的な推理でサラーの犯行のほころびを次々と暴いていきます。犯行動機については、スワリ国内の勢力争いが背景にあると匂わせるに留まりますが、日本語ノベライズ版では、ハッサンが国王を失脚させて自らが王座に就くためのクーデター計画の一環であったと描かれています。ドラマの曖昧さは、作品に考察の余地を与えているようにも思えますし、やや消化不良と感じる場合もありそうです。

口コミ分析

海外サイトの口コミには、diplomatic、good、bestなどが書き込まれています。

国内サイトの口コミには、自動販売機にキレる、外交官特権などが書き込まれています。

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余談

  • 本作の原題は「A Case of Immunity」で「免責の事例」を意味し、外交官特権を指しています。邦題「ハッサン・サラーの反逆」とは大きく異なり、結末を予見させる皮肉なタイトルとなっています。
  • デモ隊の一員として、当時無名だった俳優ジェフ・ゴールドブラムがカメオ出演しています。ジェフ・ゴールドブラムは映画『ジュラシック・パーク』などで有名な俳優です。
  • 共犯者ハビブを演じたサル・ミネオは、映画『理由なき反抗』などで知られる名優ですが、本作出演の翌年、1976年に強盗に襲われ37歳で亡くなるという悲劇に見舞われました。
  • ハッサン・サラーを演じたヘクター・エリゾンドはプエルトリコ系アメリカ人の俳優です。その後、『プリティ・ウーマン』のホテルの支配人役などで広く知られるようになりました。
  • このエピソードには、他のコロンボ作品で異なる役を演じた俳優が多数出演しています。例えば、領事館職員クラ役のジョージ・スカフは「秒読みの殺人」でテレビ局プロデューサーを、検死官役のハーヴェイ・ゴールドは「逆転の構図」でカメラ店の店主を演じています。
  • このエピソードには、他のコロンボ作品で異なる役を演じた俳優が多数出演しています。例えば、領事館職員クラ役のジョージ・スカフは「秒読みの殺人」でテレビ局プロデューサーを、検死官役のハーヴェイ・ゴールドは「逆転の構図」でカメラ店の店主を演じています。
  • スワリもしくはスアリ(SUARI)は架空の国です。作中、どこかでスペルミス(SUARIがSAURIになっている)が登場します。
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この記事のまとめ

刑事コロンボ「ハッサン・サラーの反逆」について、ネタバレありであらすじやトリックをご紹介しました。最後にドラマの内容を、殺人の計画性、偽装工作、犯人のミス、動機、凶器、トリック、コロンボの罠で簡単にまとめます。犯人は、共犯者を強盗に仕立て上げ、その共犯者を始末することで、全ての罪を共犯者になすりつけようとします。

項目 内容
殺人の計画性 あり
偽装工作 強盗殺人を偽装
ミス コンタクトレンズ
動機 勢力争い
凶器 レンチ
トリック 共犯者
コロンボの罠 負けたふり
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