名探偵ポワロS1E4・第4話「24羽の黒つぐみ(Four and Twenty Blackbirds)」のあらすじ、トリック解説、感想です。とある老人のいつもとは違った行動が謎を呼ぶエピソードです。
あらすじ
かかりつけの歯科医と夕食を楽しむポワロは、給仕から聞き知った、ある客のいつもとは違った行動に興味を抱く。
その客はガスコインという画家の老人で、土曜日のその日、いつもは食べない嫌いなメニューを注文していた。給仕によれば、普段は水曜と土曜にしか訪れないのに、その週は5日前の月曜日にも、老人は姿を現したという。
――翌日。その老人が死体となって発見される。
事故死と判断された事件だったが、ポワロは職業的好奇心を満たすため、捜査を開始する。
容疑者は絵のモデル、美術商の男、老人の双子の兄弟、そして、劇場支配人の甥の四名で、このうち、モデルと美術商にはアリバイがあり、双子の兄弟はガスコインが死ぬ数日前に病死していることが判明。残る甥も、老人が死んだと思われる夜九時半頃はどうやら、劇場にいたらしかった…。

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
ヘイスティングス大尉に無言の圧力をかけるエルキュール・ポワロ
登場人物
ポワロ、ヘイスティングス、ミス・レモン、ジャップ警部以外の登場人物です。
- ヘンリー・ガスコイン
被害者。有名な画家。その絵は高値で売れる - ダルシー・レイン
絵のモデル - ピーター・メーキンソン
美術商。ガスコインの絵を欲しがっていた - アントニー・ガスコイン
ヘンリーの双子の兄弟。ヘンリーとは仲が悪かった。危篤状態で、金曜の午後一時に他界 - ミセス・ヒル
アントニーに仕える家政婦 - ジョージ・ロリマー
劇場(ミュージカルホール)の支配人。ヘンリーとアントニーの甥。アントニー危篤の知らせを受けるが、すぐには駆け付けない
事件のまとめ・謎
老人のいつもとは違った行動の理由、もしも殺人であれば犯人は誰かというのが謎といえます。殺人の容疑者は四名ですが、一人は死んでおり、他の三人にはアリバイがあります。
老人は階段から転げ落ち、首の骨を折って亡くなりました。際立って不審な点はなく、警察は事故死として処理します。亡くなった老人はレストランで夕食をとり、その後、帰宅しています。老人のガウンのポケットには、午後九時半に投函された手紙が入っていました。この手紙により、老人は九時半まで生きていたことが、証明されます。
このとき、双子の兄弟であるアントニーは既に亡くなっていました。そして、モデル、美術商、甥にはアリバイがあります。
伏線・手掛かり
ポワロは様々な証拠をもとに、犯人を推理します(視聴者にとっては伏線)。ヘンリーは死んだその日に、以下のようないつもと違う行動をとっています。
- 食事
死んだ日の土曜日の夜、いつもは頼まない、それどころか、嫌いな黒イチゴのケーキなどを注文していました。前の水曜日は、いつも通りで、月曜日は、同じように黒イチゴのケーキなどを頼みました。給仕によれば、その老人が月曜日にレストランへやって来ることは一度もなかったようです - 挨拶
土曜日、老人はお向かいの奥さんに、挨拶もせず通り過ぎてしまいます - 歯の状態
ポワロが死体の口の中を確認しています。もしも老人が黒イチゴのケーキを食べたのであれば、歯が真っ黒になっているはずです。死体の胃の中には、軽い食事をとったような内容物しかありませんでした。老人は黒イチゴのケーキに、加え、パイなども注文していたはずです。それらは、決して軽くはない食事です。
公衆トイレで、変装に使われたと思われる衣類などが見つかります。
挨拶をしなかった老人、そして、月曜と次の土曜にレストランに姿を現した老人は本物ではなく、誰かが変装していたようです。しかし、老人は16日土曜日の夜に投函された手紙を受け取っているはずで、それが被害者の老人だったのは間違いなさそうです。
ネタバレ
老人は事故死ではなく他殺で、犯人は甥のジョージ・ロリマーです。
ロリマーは変装して老人のふりをしていました。本当に老人が死んだのは、午後九時半頃ではなく、それよりも前です。月曜日に現れた老人もロリマーの変装で、彼は本番に向けてリハーサルをしていました。
手紙は前日に投函されたものでした。つまり、16日ではなく、15日です。犯人は5を6に書き換え、事件の届いた手紙であるかのようにみせていました。手紙の宛名にはタイプライターが使われていました。文字などの特徴からタイプライターが特定されれば、それがロリマーのものであることも明らかになるはずです。
結末
劇場の舞台に呼び出されたロリマーは、ポワロに夜九時半よりも前にアリバイがないことに加え、タイプライターという証拠を突き付けられます。
ロリマーは逃亡しようとしますが、警官に逃げ道をふさがれ、その場に立ちすくみます。
感想
今回、依頼はなく職業的好奇心でポワロは事件を捜査します。ポワロは結構(というかだいぶ)お金持ちな探偵だったりします。
人のいつもと違う行動というのは目にとまりますが、気まぐれという可能性があるので、なんとも断言しにくいです。ただ、大嫌いだった食べ物を急にモリモリ食べ始めるというのはあきらかに変で、かなり記憶に残りそうです。
手紙の差出人を示唆する証拠として、タイプライターが登場しました。現代では、プリンタの紙送り機構が脅迫文や文章偽装の捜査に用いられるようです。
まとめ
名探偵ポワロ「24羽の黒つぐみ」のあらすじ、真相をご紹介しました。このエピソードは英国放送でも日本放送でも第4話です。第5話は『4階の部屋』です。
- ポワロがレストランでウェイトレスから常連の老人のいつもと違った行動をとったという話を耳にする。後日、その老人が死んでしまう
- 老人は事故死ではなく、甥のジョージ・ロリマーによる他殺だった
- 犯人のロリマーは遺産を手に入れるために、犯行に及んだ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 監督 | レニー・ライ Renny Rye |
| 脚本 | ラッセル・マレー Russell Murray |
| 原作 | アガサ・クリスティ Agatha Christie |
| 制作 | LWT (現ITV) |

